・story・

 
地球と言う星はボロボロだった。
 何度も何度も繰り返された戦争で、人も地球もボロボロになった。

ほんの僅か、生き残った人達は地球を捨てた。
宛ても無いのに空へと飛んだ。

ほんの僅か、地球に残った人は、地球の手当てを始めた。
もうボロボロで、人の手なんかに負えないのに。

人の手では、地球はどうにもならない。
だから人は、とんでもない時間をかけて
地球をどうにかできる「ひと」を造った。
とんでもない時間をかけて、たった一人。

たった一人の「ひと」は、スグリと呼ばれた。

スグリは、地球の手当てをはじめた。
果てしなく広い地球を、たった一人でどうにかしようと頑張った。

長い長い時が過ぎた。

地球は少し、綺麗になった。
花も少し咲くようになった。
森も僅かに広がった。
生き物も、少し増えた気がする。
スグリ以外の普通の人でも、地球をどうにか出来るようになった。
それからスグリは、みんなと一緒に頑張った。

それからまた、ほんの少し時が過ぎて…

ある時、空から沢山の何かが降ってきた。
雨でも、雪でもない何か。
空を飛んでる様に見えるけど、鳥でもない。
それが何なのか、スグリには解らなかったけれど
みんなが不安がったので、とりあえず様子を見に行く事にした。